人事の設計を、
方法にする。
Bricolage Methodは、人事の困りごとの原因を見つけ、会社に合った仕組みをつくるための方法論です。
思想、設計理論、知的資産を一つの体系にまとめてあります。すべてのサービスは、この上に成り立っています。
この方法論が答えようとしている問い
人事制度を持っている会社は、いくらでもあります。役割定義があり、評価シートがあり、就業規則がある。それでも、評価の理由は説明されず、中途採用のたびに例外が積み上がり、昇給と賞与の配分は社長が一人で決めている。
問いは、制度の有無ではありません。
機能する会社と機能しない会社があるのか。
困りごとには、必ず原因があります。Bricolage Methodは、この問いに、三つの層で答えます。
- 第1層思想 —— 人はどのような条件で、処遇に納得するか
- 第2層設計理論 —— 4原則・5領域・ホメニズム評価設計™
- 第3層知的資産 —— 三大全(採る・活かす・留める)
第1層|思想 —— 評価とは、何を認めることか
評価制度は、点数をつける装置ではありません。何を貢献として認め、誰にどれだけ配分し、誰に発言権と判断権を与えるか——会社の人間観と権力構造を、具体的な形にしたものです。
だから、精密な評価制度が現場を壊すことがあります。精密さは、しばしば運用可能性を下げるからです。実務では、ひな型に基づく細かく刻んだ役割区分が実際の社員と仕事に合わず、社員のほうを制度に当てはめてしまう場面が起きます。
現実との接続を設計する。
今あるものを、活かす。
だから、答えを外から持ち込みません。いま会社にある人・役割・慣行・文化の中に、すでに機能しているものがあります。それを見つけて、活かす。新しい制度を足すのではなく、すでにあるものを組み替える——これが、Bricolage Methodの一貫した立場です。
Bricolageとは
Bricolage(ブリコラージュ)とは、もともとフランス語で「ありあわせのものを、器用に組み合わせてつくる」という意味の言葉です。設計図から新しくつくるのではなく、いま手元にあるものの中から使えるものを見つけて組み替える——事務所名は、ここに由来します。
承認論との接続
この思想は、偶然ではありません。哲学者アクセル・ホネットの承認論において、承認とは、その人がすでに持っているもの——存在、権利、固有の貢献——を認めることです。新しく何かを与えることではなく、すでにあるものを認める。
「活かす」という言葉は、承認という概念の、もっとも実務的な訳語だと考えています。今ある人・役割・文化を活かして仕組みを組み替えることは、単なる手法ではありません。それ自体が、承認を実践するということです。
第2層|設計理論 —— 4原則と5領域
人事の設計を点検する、4つの原則
診断(制度健全度診断™)で使う、対外的なフレームです。
経営整合性
役割・要員計画・人件費が、事業戦略と利益計画に整合しているか。
公正性
評価・報酬・昇格の判断に、社員が理解できる原理があるか。
説明可能性
評価結果と処遇の理由を、社長・人事・管理職が同じ言葉で説明できるか。
運用可能性
役割・評価・報酬の運用を、現在の人事体制と管理職の力量で無理なく回せるか。
人事の判断が止まる、5つの領域
社長不在テスト™で測る領域であり、そのまま再設計モジュールの名前でもあります。
| 領域 | 問われること | 4原則 |
|---|---|---|
| 役割・権限 | その役割の者は、何を決めてよいか | 運用可能性 |
| 評価 | 何を貢献として認め、誰が評価するか | 公正性・説明可能性 |
| 報酬 | 役割と評価に、配分が接続しているか | 公正性 |
| 管理職運用 | 誰を、どんな基準で管理職にするか | 運用可能性 |
| 人事方針 | 誰を採り、何を評価し、誰を昇格させるか | 経営整合性 |
この5領域は、それぞれ独立してはいません。人事方針が言葉になっていなければ役割が定義できず、役割が定義できなければ評価は基準を持たず、評価が基準を持たなければ報酬は説明できず、それらがなければ管理職は運用できません。どこか一つが欠けると、人事の判断は社長に戻ります。
ホメニズム評価設計™
役割・評価・報酬を、「承認」の仕組みとして捉える設計手法です。人が組織の中で承認される経路には、情緒的なもの、権利にもとづくもの、価値にもとづくものの三つがあります。社長の目が届く規模では情緒的な承認が組織を支えますが、これは規模に対してスケールしません。
50〜120名という規模は、まさにその転換点です。情緒を捨てて制度に置き換えるのではなく、情緒が制度に支えられる状態へ移行する——そのための設計手法です。
第3層|知的資産 —— 三大全
採用・制度・定着を、一つの地図の上に置いた三部作です。
採用設計大全
〈採る〉の書
欲しい人材が集まる構造を設計する。
人事制度大全
〈活かす〉の書
役割・評価・報酬を、機能する形に組み替える。
離職防止大全
〈留める〉の書
人が辞める構造から、定着を設計する。
三大全は一般公開していません。経営者研究会・セミナー参加者への提供、および経営人事設計の支援プロセスで活用しています。
方法論を、実務に接続する
思想も設計理論も、実務に接続されなければ意味がありません。Bricolage Methodは、次の順序で会社に入ります。
- 社長不在テスト™5領域から、判断が止まる場所を特定
- 制度健全度診断™4原則で現在地を可視化。課題構造マップと90日プラン
- 人事制度・運用再設計5領域=モジュールを選んで組み替える
- HR Interface月次で運用・定着
診断で出た領域の名前と、再設計で選ぶモジュールの名前は同じです。言い換えを挟まないのは、言い換えたところで判断は動かないからです。
制度ではなく、経営判断を設計する。
